大麦若葉残さの活用による高品質烏骨鶏卵の開発
堀
元司
*
・樋田
宣英
*
・辛島
秀美
* *
・辛島
浩巳
* *
*
食品産業担当・
* *
おおいた烏骨鶏生産者協議会
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FoodI ndus t r y Gr oup・
* *
Oi t a- Si l ky Fowl Pr oduc er Counc i l
要
旨
烏骨鶏卵の更なる付加価値向上とブランドの確立を目的に,食品加工残さ由来飼料(エコフィード)の大麦若葉
残さサイレージを烏骨鶏に給与することによる高β−カロテン烏骨鶏卵生産方法について検討を行った.
1 大麦若葉残さサイレージ中のβ−カロテン含量の推移について調査したところ,β −カロテンは光や酸化等で
分解され易く保存が難しい成分であるが,脱気包装等行いサイレージ化することで半年経過後も 50%近く残存す
ることが確認できた.
2 烏骨鶏に大麦若葉残さサイレージを給与飼料量の 10%給与しても,烏骨鶏卵の産卵率や卵質に変化は特に認め
られなかったことから,サイレージ給与が生産性に与える悪影響はないものと考えられた.
3 ビタミン類が豊富に含まれる烏骨鶏卵ではあるが,大麦若葉残さサイレージの給与により卵中のβーカロテン
含量を増強できることが確認でき,高β−カロテン烏骨鶏卵の生産方法が確立できた.
1.
はじめに
おおいた烏骨鶏生産者協議会では大分県農林水産研究
指導センター畜産研究部が作出した高産卵率の「おおい
た烏骨鶏」を飼養し,烏骨鶏卵の生産,販売を行ってい
る.
烏骨鶏卵は一般的な鶏卵の2/3ほどの大きさだが,
黄身が多く鉄分やビタミンが豊富で,烏骨鶏が元々薬用
鶏として飼育され,滋養強壮,長寿の源として宮廷の薬
膳料理には欠かすことの出来ない材料だったこともあり
卵も珍重され,一般的な鶏卵よりも高価格で取引されて
いる.
当協議会では,飼料に焼酎粕等のエコフィードを活用
するなど,烏骨鶏卵により多くの特色を持たせることに
よるブランド強化の取り組みを行ってきた.
一方,宇佐オーガニックファーム株式会社より排出さ
れる大麦若葉残さをサイレージ化して採卵鶏に給与する
ことで,高β−カロテン卵の生産が行えることを畜産研
究部と当センターにより確認した.
そこで,烏骨鶏卵の更なる付加価値向上とブランドの
向上を目的に,大麦若葉残さサイレージ(以下,「サイ
レージ」という.)給与による高β −カロテン烏骨鶏卵
の生産方法について検討を行った.
2.
調査方法
サイレージ中のβ−カロテン含量を調査した後,おお
いた烏骨鶏にサイレージを給与し生産した烏骨鶏卵中の
β −カロテン含量の推移を調査した.
なお,サイレージ中のβ−カロテン含量の調査は宇佐
オーガニックファーム株式会社の協力のもと行った.
2. 1 サイレージ中β −カロテン含量の調査
今回の試験に用いたサイレージのサイレージ品質,β
−カロテン含量を調査するとともに,Tabl e 1,Tabl e 2
によりサイレージ調製時の密封方法及び保存期間による
β −カロテン含量の推移を調査した.
β −カロテン含量の調査はHPLC法により行った.
<調査項目>
サイレージ品質,β−カロテン含量
2. 2 サイレージ適正給与量の把握
Tabl e 3 により烏骨鶏卵の生産を行い,サイレージの
給与が卵生産性へ及ぼす影響を調査するとともに,サイ
レージの最適給与量等を検討した.
<調査項目>
産卵率,卵重,卵殻強度,卵殻厚,卵白高,HU,
Tabl e 1 密封方法の違いによる大麦若葉残さサイレージ中β−カロテン含量の推移 密封方法 ①ポリ袋( PE製,厚み 0. 03mm) に未脱気のまま密封
② 〃 に脱気後密封
③2重にしたポリ袋( PE製,厚み 0. 05mm) に脱気後密封 保存期間 28日,56日,180日
Tabl e 2 サイレージ調製後の小分け方法による大麦若葉残さサイレージ中β −カロテン含量の推移 小分け材料 大麦若葉残さを Tabl e 1 の③の方法で密封後28日間保存したもの 小分け方法 ①ポリ袋( PE製,厚み 0. 03mm) に脱気後密封
②ナイロンポリ袋( バリア ONy15/L ー LDPE60) に未脱気のまま密封
③ 〃 に脱気後密封
保存期間 7日,28日,56日
Tabl e 3 烏骨鶏卵生産条件
供 試 鶏 1回目 おおいた烏骨鶏 H22. 5. 19 ふ化( 給与開始日 401 日齢) 3区83羽 2回目 〃 H23. 2. 9 ふ化( 〃 336 〃 ) 3区69羽 試験期間 1回目 H23. 6. 23∼23. 8. 4( うちサイレージ給与期間 H23. 6. 24∼23. 8. 4)
2回目 H24. 1. 10∼24. 2. 21( うち 〃 H24. 1. 11∼24. 2. 21) 飼養施設 開放鶏舎 1ケージ1羽ずつの単飼
基礎飼料 烏骨鶏用飼料( CP 18. 5%,ME 2, 850kc al / kg) に乳酸菌飼料等を添加 60g/日給与 試験飼料 大麦若葉残さをポリ袋に封入,密封後,25℃で 2 週間保管しサイレージ化
試 験 区 対照区 1回目39羽 2回目23羽 基礎飼料のみ給与
5%区 〃 22羽 〃 23羽 基礎飼料に試験飼料を5%( 3g) 添加
10%区 〃 22羽 〃 23羽 〃 10%( 6g) 添加
採 卵 日 試験開始日を0日として,−1日,14日,28日,42日の4回
2. 3 烏骨鶏卵中のβ−カロテン含量の調査
サイレージを給与して生産した烏骨鶏卵中のβ−カロ
テン含量の調査を行い,烏骨鶏卵の高品質化方法につい
て検討を行った.
<調査項目>
卵重,卵黄重,卵中β −カロテン含量
3.
調査結果及び考察
3. 1 サイレージ中β−カロテン含量の調査
1回目及び2回目の給与試験に用いた試験飼料のサイ
レージ品質及びβーカロテン含量等はそれぞれ Tabl e 4,
Tabl e 5 のとおりであった.
大麦若葉残さサイレージ 試験飼料( 小分け時)
1回目及び2回目の 試験飼料と も V−スコア点 数90
点以上とサイレージ品質は非常に良好であったが,1回
目の試験飼料が大麦若葉の2番草の残さで2回目が1番
草の残さだったこともあり,β−カロテン含量は2回目
の試験で用いた方が多かった.
サイレージ調製時の密封方法及び保存期間によるβ−
カロテン含量の推移については Tabl e 6,Tabl e 7 のとお
りであった.
β −カロテンは光や酸化等で分解され易く保存の難し
い成分であるが,サイレージ中のβ −カロテン含量は半
年経過後も 40%以上残存しており,特に脱気包装した②
の残存率は 49%であった.
小分け後のサイレージ中のβ−カロテン含量は,7 日
で小分け前の69∼78%まで減少した後は 56 日まで概ね
維持されており,ガスバリアー性のある素材で脱気包装
した③の方法で最も残存量が多かった.
以上より,大麦若葉残さ中のβーカロテン含量はサイ
レージ調製及び保存中に減少するが,脱気を行うことや
ガスバリアー性のある素材で密封することにより残存量
Tabl e 4 1回目試験に用いた大麦若葉残さサイレージの品質( 調査日:H23. 8. 1) 官能検査 水分( 配点; 10) pH( 15) 色沢( 5) 香味( 5) 感触( 5) 計( 40)
試験飼料 8( 71. 4) 15( 3. 94) 4( B) 3( C) 5( A) 35 ( 注) 評点( 分析値等)
Tabl e 5 2回目試験に用いた大麦若葉残さサイレージの品質( 調査日:H24. 2. 16) 官能検査 水分( 配点; 10) pH( 15) 色沢( 5) 香味( 5) 感触( 5) 計( 40)
試験飼料 8( 74. 2) 14( 4. 15) 5( A) 4( B) 4( B) 35 ( 注) 評点( 分析値等)
水分 pH VBN 窒素 VBN/ 全 N 乳酸 酢酸 V- スコア β −カロテン含量( mg/ kg) ( %) ( mg%) ( %) ( %) ( %) ( %) ( 点) 2/ 16( 試験終了時) 試験飼料 74. 2 4. 15 32. 5 0. 71 4. 6 1. 91 0. 32 99. 0 37. 2
Tabl e 6 密封方法の違いによる大麦若葉残さサイレージ中β−カロテン含量の推移 単位 mg/ kg
密封方法\保存期間 0日 28日 56日 182日
① 0. 03mmポリ袋 ,未脱気 31. 8( 100. 0) 21. 1( 66. 4) 22. 6( 71. 1) 13. 1( 41. 1) ② 〃 , 脱気 − 25. 5( 80. 1) 26. 9( 84. 6) 15. 6( 49. 0) ③ 0. 05mmポリ袋,2重,脱気 − 27. 4( 86. 0) 27. 7( 87. 2) 13. 9( 43. 8)
Tabl e 7 サイレージ調製後の小分け方法による大麦若葉残さサイレージ中β - カロテン含量の推移 単位 mg/ kg
小分け方法\保存期間 0日 7日 28日 56日
① 0. 03mmポリ袋, 脱気 27. 4( 100. 0) 18. 9( 69. 1) 18. 5( 67. 6) 18. 0( 65. 7) ② ナイロンポリ袋 ,未脱気 − 19. 6( 71. 7) 18. 9( 69. 1) 18. 0( 65. 7) ③ 〃 , 脱気 − 21. 2( 77. 5) 22. 9( 83. 6) 20. 3( 74. 1)
が増加することが確認できた.
なお,コストが割高となるガスバリアー性のある素材
を用いなくても,ある程度残存させることが可能である
ことも確認できた.
3. 2 サイレージ適正給与量の把握
6月下旬から8月上旬にかけて行った1回目の試験に
おける産卵率,卵質成績は Tabl e 8,Tabl e 9 のとおりで
あった.
飼料摂取量は温度の上昇により若干落ち込んだが,そ
の程度はわずかなものであった.
産 卵 率 は 全 期 間 を 通 じ 対 照 区 < 10% 区 < 5 % 区 と な
り,その差は著しく5%区の産卵率は対照区の 1. 8 倍強
であった.
Tabl e 8 産卵率(1回目)
供試羽 1∼14日 15∼28日 29∼42日 1∼42日計
数( 羽) 産卵数 産卵率 産卵数 産卵率 産卵数 産卵率 産卵数 産卵率
対照区 39 153 28. 0%( 100) 111 20. 3%( 73) 184 33. 7%( 120) 448 27. 3%( 100)
5%区 22 160 51. 9%( 100) 148 48. 1%( 93) 160 51. 9%( 100) 468 49. 5%( 185)
10%区 22 142 46. 1%( 100) 124 40. 3%( 87) 122 39. 6%( 86) 388 41. 9%( 154)
Tabl e 9 卵質成績(1回目)
−1日 14日 28日 42日
Tabl e 10 血斑,肉斑数個数
採卵日 対照区 5%区 10%区 備 考
28日 2個 0個 1個 各区5個中における発生個数
42日 1個 2個 2個 対照区,5%区は5個中,10%区は4個中
また,試験期間中対照区の産卵率は大きく増減し,10%
区は減少傾向を示したが,5%区では安定していた.
卵質における−1日と 42 日では卵重,HU,カラーフ
ァンにさほど差は見られなかったものの,卵殻強度,卵
殻厚ではサイレージ給与区で増加する傾向を示し,卵白
高ではサイレージ給与区で減少する傾向を示した.
なお,各区の28 日,42 日に血斑,肉斑が確認された
ことから,試験後半期間は暑熱等により産卵環境が悪化
していたことが示唆された.( Tabl e 10)
1月中旬から2月下旬にかけて行った2回目の試験に
おける産卵率,卵質成績は Tabl e 11,Tabl e 12 のとおり
であった.
産 卵 率 は 全 期 間 を 通 じ 5 % 区 < 10% 区 < 対 照 区 で あ
り,試験期間中の変動は各区共通したものであった.
卵質における−1日と 42 日では卵重,卵殻厚,HU,
カラーファンでは差は見られなかったものの,卵殻強度
では5%区<対照区<10%区となり,卵白高では対照区
が高くなる傾向を示した.
以上より,産卵率においては,暑熱等の影響を受けた
1回目の試験では各区の変動が異なったものの2回目の
試験の区内の変動は各区共通したものであったことや,
1回目と2回目の試験では各区の順位が逆転するなど明
確な優劣がつかなかったことから,サイレージの給与が
産卵率に与える影響は小さいと考えられた.
卵質においては,卵重,卵殻厚,HU,カラーファン
にサイレージの影響は認められなかったものの,サイレ
ージ給与で卵殻強度は高くなり,卵白高は低くなる傾向
が見られたが,その差は小さいものであった.
また,今回の調査では可能な限り同個体から産卵され
た卵を調査することとし,採卵日に産卵していなかった
個体についてはその前日に産卵した卵を調査卵にしたこ
と も 卵 質 成 績 に 影 響 を 与 え て い た と 考 え ら れ る こ と か
ら,サイレージ給与が生産性に与える影響は小さいと考
えられた.
よって,サイレージ給与量が 10%以下では烏骨鶏卵生
産性への悪影響はないものと考えられた.
Tabl e 11 産卵率(2回目)
供試羽 1∼14日 15∼28日 29∼42日 1∼42日計
数( 羽) 産卵数 産卵率 産卵数 産卵率 産卵数 産卵率 産卵数 産卵率
対照区 23 193 59. 9%( 100) 183 56. 8%( 95) 175 54. 3%( 91) 551 57. 0%( 100)
5%区 23 153 47. 5%( 100) 137 42. 5%( 90) 136 42. 2%( 89) 426 44. 1%( 77)
10%区 23 159 49. 4%( 100) 155 48. 1%( 97) 144 44. 7%( 91) 458 47. 4%( 83)
Tabl e 12 卵質成績(2回目)
−1日 14日 28日 42日
15 20 25 30 35 40 45 50
対照区 5%区 10%区
−1日
14日
28日
42日
2 3 4 5 6 7
対照区 5%区 10%区
−1日
14日
28日
42日 3. 3 烏骨鶏卵中のβ−カロテン含量の調査
1回目の試験における卵重,卵黄重の推移は Tabl e 13,
烏骨鶏卵中 のβ − カロテン 含量の 推移は F i g. 1, Fi g. 2
のとおりであった.
卵重,卵黄重にサイレージ給与による変化は特に認め
られなかった.
卵黄中及び卵1個中のβ−カロテン含量は,対照区で
は試験期間中減少し続け 42 日で最少となり,サイレージ
給与区では 28 日で一旦増加したものの 42 日は減少した.
今回用いた供試鶏には従来よりサイレージを給与して
いたが,本試験を行うにあたって試験開始1月前から給
与を停止していた.それにもかかわらず対照区のような
推移を示したことから,サイレージ給与によるβ−カロ
テンの増強効果は給与後2ヵ月程度継続するものと考え
られた.
サイレージ給与区の 28 日で増加したのは試験開始後
に 給 与 し た サ イ レ ー ジ の 効 果 に よ る も の と 考 え ら れ る
が,烏骨鶏における給与から飼料効果の発現までに要す
る期間は採卵鶏の14 日程度に対し,20 日程度と考えら
れた.
給与区で 42 日目に減少した理由として,吸収されたβ
−カロテンが暑熱の影響で烏骨鶏体内でビタミンAに変
換された,飲水の増加で発症した下痢によりサイレージ
栄養成分を消化吸収できなかった等考えられたが,原因
は不明であった.
いずれにせよ,サイレージの給与によって烏骨鶏卵中
のβ −カロテン含量が増減することは確認できた.
2回目の試験における卵重,卵黄重の推移は Tabl e 14,
烏骨鶏卵中 のβ − カロテン 含量の 推移は F i g. 3, Fi g. 4
のとおりであった.
卵重,卵黄重にサイレージ給与による変化は特に見ら
れなかった.
卵黄中及び卵1個中のβ−カロテン含量は,対照区で
は試験期間中減少し続け 42 日で最少となり,5%区では
28 日で増加後42 日で若干減少したものの,10%区では
増加し続け 42 日で最大となった.
5%区ではβ −カロテン給与量が1羽1日当たり 112
μ g で増加量が 30%程度に止まったことから,増強効果
を明確にするには10%区の223μg程度は給与する必要
があると考えられた.
以上より,サイレージ中のβ −カロテン含量によって
増加量は増減するものの,サイレージの給与により烏骨
鶏 卵 中 β − カ ロ テ ン 含 量 を 増 強 で き る こ と が 確 認 で き
た.
な お , 1 回 目 の 試 験 に お け る β − カ ロ テ ン 給 与 量 は
5%区で 64μ g,10%区で 127μ g 程度であり,暑熱の影
響に加え給与量が少なかったことも増加効果を明確にで
きなかった原因と考えられた.
Tabl e 13 卵重及び卵黄重の変化(1回目)
−1日 14日 28日 42日
対照区 41. 78( 100. 0) 40. 65( 97. 3) 42. 55( 101. 8) 43. 15( 103. 3)
卵 重 5%区 44. 80( 100. 0) 42. 33( 94. 5) 43. 33( 96. 7) 44. 58( 99. 5)
( g) 10%区 42. 88( 100. 0) 41. 54( 96. 9) 42. 14( 98. 3) 44. 53( 103. 8)
対照区 13. 90( 100. 0) 12. 73( 91. 6) 14. 23( 102. 4) 14. 15( 101. 8)
卵黄重 5%区 14. 63( 100. 0) 13. 90( 95. 0) 14. 13( 96. 6) 15. 21( 104. 0)
( g) 10%区 13. 92( 100. 0) 13. 62( 97. 8) 14. 16( 101. 8) 14. 73( 105. 8)
注:( ) 内は各試験日,各項目の対照区に対する割合
μg
μ g
/
100g
25 35 45 55 65
対照区 5%区 10%区
−1日
14日
28日
42日
2 4 6 8 10
対照区 5%区 10%区
−1日
14日
28日
42日 Tabl e 14 卵重及び卵黄重の変化( 2回目)
−1日 14日 28日 42日
対照区 42. 19( 100. 0) 43. 30( 102. 6) 42. 76( 101. 4) 43. 07( 102. 1)
卵 重 5%区 44. 37( 100. 0) 42. 82( 96. 5) 42. 28( 95. 3) 43. 38( 97. 8)
( g) 10%区 41. 27( 100. 0) 41. 60( 100. 8) 43. 13( 104. 5) 42. 00( 101. 8)
対照区 13. 11( 100. 0) 13. 95( 106. 4) 13. 47( 102. 7) 13. 63( 103. 9)
卵黄重 5%区 14. 41( 100. 0) 14. 31( 99. 4) 13. 58( 94. 3) 14. 13( 98. 1)
( g) 10%区 13. 65( 100. 0) 13. 74( 100. 7) 14. 15( 103. 7) 14. 46( 105. 9)
注:( ) 内は各試験日,各項目の対照区に対する割合
μ g μg
/
100g
Fi g. 3 卵黄中β - カロテン含量の推移( 2回目) Fi g. 4 卵1個中のβ - カロテン量の推移( 2回目)
また,畜産研究部と当センターが行った採卵鶏へのサ
イレージ給与試験では,220μg のβ −カロテン給与で卵
黄中β−カロテン含量が 100g当たり 7. 6μg から 3. 1 倍
量の 23. 8μ g へと増加したが,これはサイレージ未給与
時のβ−カロテン含量が低く増加効果の発現が容易だっ
たためであり,ビタミン類が豊富に含まれる烏骨鶏卵に
おいて更なる増強を図ることは難しいことだったと考え
られた.
4.
まとめ
烏骨鶏卵の更なる付加価値向上とそれに伴うブランド
の強化を目的に,エコフィードであるサイレージを活用
した高β −カロテン烏骨鶏卵生産方法の検討を行った.
( 1) 大麦若葉残さ中のβ −カロテン含量は1番草の残さ
で高くなり,サイレージ化の過程で減少するものの脱気
包装等することによ り半年経過後 も 50%近く 残存して
いた.
( 2) 烏骨鶏に サイレージ を給与飼料 量の 10%給 与して
も烏骨鶏卵の産卵率や卵質等に変化は特に認められなか
ったことから,サイレージ給与が生産性に与える悪影響
はないものと考えられた.
( 3) 烏骨鶏にサイレージを給与することでβ−カロテン
含量を増強することができるが,増強効果を明確にする
には1羽1日当たり 200μg 以上のβ ーカロテンを含む
サイレージを給与する必要があると考えられた.
以上より,エコフィードであるサイレージの給与によ
り,烏骨鶏卵の生産性に悪影響を与えることなくβ−カ
ロテン含量を増強できることが確認でき,低コストな方
法による高β −カロテン烏骨鶏卵の生産方法が確立でき
た.
このことから,烏骨鶏の卵という珍重性にβ −カロテ
ン強化,エコフィードを活用しての烏骨卵地域内循環型
生産体制の構築といった環境対策への取り組みをアピー
ルポイントに加え,烏骨卵の更なる付加価値向上とブラ